民法 第1条第3項
    (基本原則)

条文

権利の濫用は、これを許さない。

解説

権利を行使したり主張する場合は、いかに権利があるからといって、みだりにこれらをおこなってはなりません。



これはどういうことかというと、いくら形の上では権利があるとはいえ、実際にその権利を行使することが不当な目的によるものであり、社会的には妥当性を欠くような場合は、その権利の行使は認められない、ということです。

権利があるからといって、どんな理不尽な要求でもできるとは限りませんので、注意しましょう。

契約書作成実務における注意点

企業間の契約では、当事者間の力関係の優劣によって契約条件が変わってきます。

ただ、立場が強いからといって、なんでも自由にできるとは限りません。

実際に契約条件(権利)が契約書に書いてあったとしても、この「権利濫用」にあたると判断されるような不当な権利は、裁判所によって否定される可能性があります。

それどころか、逆に損害賠償を命じられたり、権利自体が剥奪されてしまうこともあります。



似たような概念に「優越的地位の濫用」という概念があります。

これは独占禁止法で規定されています。

前記のような不当な権利は、この独占禁止法によっても否定される可能性があります。

また、事業者と消費者との間の契約では、「権利濫用の禁止」を具体化した、つまり消費者保護の観点に立った、各種特別法が整備されています。

そのため、迂闊に契約書を作ってしまうと、契約が無効になるどころか、相手方に損害賠償を求められたり、罰則が適用されたりする可能性があります。

こうなると、企業経営の根幹にかかわる事態となりかねません。

ですから、事前にしっかりと特別法を調査されたうえで契約書を作成してください。

注意するべき契約書

契約書全般

特に各種特別法(例:借地借家法、労働基準法、下請法、消費者契約法、特定商取引法など)が適用される契約書(例:不動産(土地・建物)の賃貸借契約労働・雇用契約請負契約通信販売契約など)。

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