条文
取り消すことができる行為は、第百二十条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。ただし、追認によって第三者の権利を害することはできない。
解説
取り消すことができる行為(
第120条第1項解説参照。)は、
第120条(
同条第1項および
同条第2項参照。)に規定する者が追認してしまうと、それ以後、取り消すことができません。
ただし、追認によって第三者の権利を害することはできません。
これはどういうことかというと、一度追認してしまうと、その行為は確定してしまい、二度と取り消すことができません。
もし追認したあとでも取り消すことができるのであれば、追認の意味がありません。
なお、但書は、実際に適用されることはありません。
というのも、取り消すことができる行為というのは、取り消されるまでは一応有効な行為ですから、その一応有効な行為を追認して有効性が確定した行為が、第三者の権利を害することはありえないからです。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務においては、本条の「以後、取り消すことができない。」という効果を得るために、追認を求めるわけです。
ですから、本条自体が契約書作成実務に直接かかわることはありません。
ですが、相手方の契約を結んだ行為が本条でいうところの「取り消すことができる行為」に該当する場合は、その行為が二度と取り消されることがないように、相手方に追認を求めなければなりません。
できれば、最初から追認を求める必要がないように、確定的に契約を結ぶことができる者(例:
制限行為能力者の
法定代理人)を相手にして契約を結ぶようにしましょう。
注意するべき契約書
契約書全般。
特に、制限行為能力者が当事者となる契約書。