条文
取り消すことができる行為の相手方が確定している場合には、その取消し又は追認は、相手方に対する意思表示によってする。
解説
取り消すことができる行為(
第120条第1項解説参照。)の直接の相手方がすでにわかっていて確定している場合には、その取消しまたは追認は、その直接の相手方に対する
意思表示によってします。
これはどういうことかというと、通常、本条でいうところの「取り消すことができる行為」をおこなう場合は、直接の相手方が誰であるかが確定しています。
ですから、その行為の取消しまたは追認は、その直接の相手方に対して、意思表示をおこなうことによってなされます。
この際、必ずその意思表示は、直接の相手方に対しておこなうことになります。
たとえば、不動産を売却した場合は、相手方がその不動産を転売してしまったときであっても、相手方に対して意思表示をおこない、転得者(相手方からのその不動産の転売によって不動産を取得した第三者)に対して意思表示をおこなっても効果がありません(判例)。
なお、意思表示の方式は特に規定されていません。
また、(通常はまずありませんが)相手方が確定していない場合は、
第98条第1項にもとづいて、公示による意思表示をおこなうことになります。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務上は、通常、相手方は確定しているでしょうから、取消しや追認をおこなう場合には、その相手方に対する意思表示によっておこなうことになります。
本条では、意思表示の方式は、特に規定されていません。
ただし、後日、証拠となるように、意思表示は、配達記録付の内容証明郵便を用いた書面によっておこなうようにしましょう。
注意するべき契約書
契約書全般。
特に、制限行為能力者が当事者となる契約書。