民法 第147条
    (時効の中断事由)

条文

時効は、次に掲げる事由によって中断する。
一  請求
二  差押え、仮差押え又は仮処分
三  承認

解説

時効は、以下の各号に掲げる事由によって中断します。

(1) 請求

(2) 差押え、仮差押えまたは仮処分

(3) 承認



「中断」とは、それまでに継続していた時効期間が、すべてリセットされてしまうということです。

つまり、例えば、ある債権について、債権者が、時効の起算日から5年間に渡ってその債権を行使しなかった場合、本条に規定されている事由が発生したときは、時効期間がリセットされてしまいます。

その結果、その事由が終了した時点から、新たに時効期間を起算しなおすことになります。



「請求」とは、裁判上の請求(第149条)、支払督促(第150条参照。)、和解のためにする呼出および任意出頭(第151条参照。)、破産手続参加(第152条参照。)、催告(第153条参照。)のことです。



「差押え、仮差押え又は仮処分」とは、それぞれ、将来の強制執行のための債権の保全(差押え)、将来の金銭債権の強制執行に備えた一部の財産権に対する権利の保全(仮差押え)、金銭債権以外の権利の保全(仮処分)のことです(第154条第155条参照。)。



「承認」とは、時効の対象となっている権利義務が存在すること自体を表示することです(第156条参照。)。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。

ただ、契約実務上、時効の中断は、時効による不利益の発生を予防することができる数少ない手段です。

ですから、本条は、時効の中断の効果を享受するためには、非常に重要な条文です。



なお、本条に掲げられている時効中断事由は、それぞれ、法的な手続が必要となるか、高度な法的テクニックが要求されるものばかりです。

つまり、それだけ高度な専門的知識が必要となってきます。

ですから、時効の中断をおこなう場合は、必ず専門家に相談しましょう。

注意するべき契約書

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