条文
前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
解説
第147条の規定による時効の中断は、その中断の事由(
第147条参照。)が生じた当事者およびその
承継人の間においてのみ、その効力を有します。
これはどういうことかというと、時効の中断事由は、当事者(およびその
承継人)の間でだけ効果が生じ、当事者(およびその承継人)とそれ以外の第三者との間では効果が生じない、ということです。
例えば、Aが、その所有する土地を占有しているBとCに対して時効中断事由に該当する行為をおこなう場合、Bに対してだけおこなったときは、その効果はBに対してだけ生じ、Cに対しては生じない、ということです(判例)。
ちなみに、上記の例で時効が完成した場合は、Cは、その土地のうち、半分の持分を取得できます。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。
というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。
そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。
また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが
強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。
ただ、契約実務上、時効の中断は、時効による不利益の発生を予防することができる数少ない手段です。
ですから、本条は、時効の中断の効果を享受するためには、非常に重要な条文です。
本条に規定しているように、時効の中断は、時効中断事由に該当する行為をおこなった相手にしかその効果を生じません(いわゆる「相対効」といいます。)。
ですから、時効中断事由に該当する行為をおこなう場合は、時効を援用することができるすべての当事者に対しておこなう必要があります。
なお、時効中断事由は、それぞれ、法的な手続が必要となるか、高度な法的テクニックが要求されるものばかりです。
つまり、それだけ高度な専門的知識が必要となってきます。
ですから、時効の中断をおこないたい場合は、必ず専門家に相談しましょう。
注意するべき契約書
契約書全般。