条文
裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。
解説
裁判上の請求は、訴えの却下または取下げの場合には、時効の中断の効力を生じません。
これはどういうことかというと、訴えの却下や取下げの場合は、結果的には訴訟は進行しないため、時効の中断は効力を生じない、ということです。
「裁判上の請求」とは、いわゆる訴訟のことです。
ただ、どういった訴訟が「裁判上の請求」に該当するかは、それぞれの訴訟の内容によって、個別具体的に判断されます。
また、「訴えの却下」とは、いわゆる民事訴訟法の「却下」(訴えの形式が不適法であること。)だけでなく、訴えの内容が実質的に不適法であること(民事訴訟法の「棄却」のこと。)も含むものとされています(判例)。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。
というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。
そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。
また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが
強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。
ただ、契約実務上、時効の中断は、時効による不利益の発生を予防することができる数少ない手段です。
ですから、本条は、時効の中断の効果を享受するためには、非常に重要な条文です。
なお、裁判上の請求の申立てには、高度な法的専門知識が要求されます。
ですから、裁判上の請求の申立てをおこないたい場合は、必ず弁護士に相談しましょう。
注意するべき契約書
契約書全般。