条文
夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
解説
夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から6ヶ月を経過するまでの間は、時効は、完成しません。
これはどういうことかというと、結婚中は、夫婦間の権利の時効は主張できず、婚姻が解消して、しかもその時点から6ヶ月を経過して初めて、時効が完成する、ということです。
ちなみに、権利自体は、婚姻前のものであろうと、婚姻中のものであろうと、どちでも構いません。
なお、「婚姻の解消」とは、他方の配偶者の死亡、失踪宣告(
第30条第1項、
第30条第2項ほか参照。)、離婚(
第764条、
第770条参照。)、婚姻の取り消し(
第743条参照。)のことです。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。
というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。
そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。
また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが
強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。
ただ、契約実務上、時効の停止は、時効による不利益の発生を一時的に予防することができる数少ない規定です。
また、そもそも、夫婦間の関係には、民法を始めとした各種法律は馴染みません。
ですから、原則として、夫婦間の権利の時効についても、婚姻中は完成しません。
しかも、婚姻解消の時点から6ヶ月経過してからでないと、完成しません。
契約実務においては、この6ヶ月がきっちり経過してから時効の援用(
第145条参照。)をおこなうようにしましょう。
そうしないと、相手方に時効の完成が近いことを知られてしまい、時効の中断(
第147条参照。)につながる措置を取られてしまう可能性があります。
逆に、時効の中断につながる措置を取る場合は、この6ヶ月の間におこないましょう。
注意するべき契約書
契約書全般。