民法 第16条
    (被補助人及び補助人)

条文

補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

解説

家庭裁判所からの補助開始の審判を受けた者(第15条第1項参照。)は、被補助人とし、これに補助人をつけます。



これはどういうことかというと、被保佐人を民法によって保護する(第17条第1項参照。)ために、実際に権限を与えられる者が補助人、ということです。

契約書作成実務における注意点

被補助人の行為には、補助人の同意を要する行為があります(第17条第1項参照。)。

しかも、補助人の同意を得ることができなかった場合は、その行為を取り消しうるということになっています。(第17条第4項参照。)

つまり、契約書作成実務においては、被補助人との契約は、極めてリスクが高いと言えます。

しかも、第17条第1項によって制限されている被補助人の行為は、契約の相手方が知ることが非常に困難です。



というのも、本条によって制限される被補助人の行為は、後見登記等に関する法律第4条第1項第5号によって、東京法務局に登記されます。

ところが、被補助人の契約の相手方は、その登記事項の証明書の交付を請求できないことになっています(補助人やその関係者はできます。)。

つまり、被補助人の契約の相手方は、補助人の側に対して、登記事項の証明書の提示を求めることによってしか、第17条第1項をもとにして制限されている被補助人の行為の内容がわからないのです。



また、なによりも、取り消された後の不当利得(第703条)の返還請求が困難であるというのが、非常に厄介です(第121条参照。)。



ですから、契約書作成実務という点や、ビジネス上のリスク管理という点では、そもそも被補助人を対象としたビジネスは、避けるべきものです。



ただ、そうはいっても、被補助人と契約をしなくてはならない状況があるかもしれません。

そのような場合、実務上、リスクを抑えて被補助人と契約を結ぶのであれば、契約締結の場に、補助人にも同席してもらい、同意を取り付ける形で契約に調印することになります。



原則として、補助人には代理権が付与されていません(付与することは可能です。8第76条の9第1項を参照。)。

ですから、同意を得ることでしか、契約のj取り消し(第17条第4項参照。)によるリスクを避けることはできません。

つまり、被補助人補助人の双方と契約交渉をおこなうことが重要となります。

注意するべき契約書

被補助人が当事者となる契約書全般

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