民法 第161条
    (天災等による時効の停止)

条文

時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から二週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

解説

時効の期間の満了の時点で、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断する(第147条参照。)ことができない場合は、その障害が消滅した時点から2週間を経過するまでの間は、時効は、完成しません。



これはどういうことかというと、いわゆる不可抗力によって発生して、時効を中断することができない場合は、その時効の完成には、その不可抗力による障害が消滅した時点から2週間の猶予期間が与えられる、ということです。

不可抗力が発生した場合は、時効の中断をおこなうことができなくなることも十分にありえます。

ですが、その時効の中断をおこなうことができない状態で時効が中断してしまうと、時効を援用する(第145条参照。)側にとって、一方的に有利なことになってしまいます。

ですから、時効の中断できない場合に限って本条が適用され、不可抗力による障害が回復した時点から2週間の猶予が与えられる、ということです。



なお、不可抗力の内容は、個別具体的に判断されます。

ただ、たとえ裁判所が閉鎖されていたとしても、他の手段、例えば、配達記録付の内容証明郵便の書面による催告が可能な場合は、催告自体はできますので、本条は適用されません。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。

ただ、契約実務上、時効の停止は、時効による不利益の発生を一時的に予防することができる数少ない規定です。



本条によって、不可抗力があった場合の時効の完成は、その障害が回復してから2週間の猶予が与えられます。



契約実務においては、この2週間がきっちり経過してから時効の援用(第145条参照。)をおこなうようにしましょう。

そうしないと、相手方に時効の完成が近いことを知られてしまい、時効の中断(第147条参照。)につながる措置を取られてしまう可能性があります。



逆に、時効の中断につながる措置を取る場合は、この2週間の間におこないましょう。

期間が短いので、間違いのない手続でおこなうようにしなければなりません。

注意するべき契約書

契約書全般

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