民法 第168条第2項
    (定期金債権の消滅時効)

条文

定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

解説

定期金の債権者(例:年金を給付する政府)は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができます。



これはどういうことかというと、定期金の債権(例:年金債権・第168条第1項参照。)について弁済(例:年金の給付)があった場合、そのままにしておくと、その弁済があったことの証拠がないままです。

例えば、現金の受渡による弁済があった場合は、債権者から債務者に対して領収書を渡すだけで、債権者の手元には、誰から受け取ったかを特定することができない現金があるだけです。

そうなると、債務者が、実際には弁済しているにもかかわらず、弁済していない(=債権者が債権を行使していない)と主張し、第168条第1項を根拠にして消滅時効を援用(第145条参照。)する可能性があります。



ですから、このようなことがないように、本条によって、債務者に対する債権者からの定期金の債権の承諾書の交付の請求が認められています。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。



消滅時効取得時効についても、契約書作成実務が関わってくる点は、せいぜい、当事者間の特約で、時効期間を短縮できるという点くらいです。

消滅時効や取得時効を援用される(第145条参照。)側は、その時効を援用されることによって、自己の権利が相手方に移転したり消滅したりすることがないように気をつけましょう。



また、本項でいうところの定期金の債権自体、契約書によって規定することはあまりありません。

ですから、さほど問題となることはありません。

注意するべき契約書

地上権設定契約書。

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