民法 第170条
    (三年の短期消滅時効)

条文

次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅する。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算する。
一  医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権
二  工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権

解説

以下の各号に掲げる債権は、3年間行使しない場合は、消滅します。

ただし、第2号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算します。

(1) 医師、助産師または薬剤師の診療、助産または調剤に関する債権

(2) 工事の設計、施工または監理を業とする者の工事に関する債権



第1号における時効の起算点は、個別の案件によります。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。



消滅時効取得時効についても、契約書作成実務が関わってくる点は、せいぜい、当事者間の特約で、時効期間を短縮できるという点くらいです。

消滅時効や取得時効を援用される(第145条参照。)側は、その時効を援用されることによって、自己の権利が相手方に移転したり消滅したりすることがないように気をつけましょう。



ただ、本条に規定されている債権は、契約実務においては典型的な債権です。

特に、第2項の建設工事に関する権利は、契約実務においては、典型的な契約の一種です。

ですから、実際に本条が問題となることがあります。



本条における消滅時効の期間は3年と、比較的その期間は短いほうといえます。

ですから、本条各号に規定されている債権の債権者は、できるだけ、時効の中断(第147条参照。)などの債務者による時効の援用(第145条参照。)を防ぐための措置を取るようにしましょう。

注意するべき契約書

医療行為委任契約書。

建物設計業務委託契約書。

建設工事請負契約書。

建設工事管理業務委託契約書。

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