条文
弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務を執行した時から三年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる。
解説
弁護士または弁護士法人は事件が終了した時点から、公証人はその職務を執行した時点から3年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その責任を免れます。
これはどういうことかというと、弁護士(弁理士法人を含む。以下同じ。)や公証人は、その職務上、依頼人から大量の書類を受け取る(預かる)ことになります。
このような書類について、あまりに長期間の責任を課すことは、弁護士や公証人にとって、過大な負担となります。
ですから、3年という期間の時効を設けて、その職務について免責する旨を規定しています。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。
というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。
そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。
また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが
強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。
消滅時効や
取得時効についても、契約書作成実務が関わってくる点は、せいぜい、当事者間の特約で、時効期間を短縮できるという点くらいです。
消滅時効や取得時効を援用される(
第145条参照。)側は、その時効を援用されることによって、自己の権利が相手方に移転したり消滅したりすることがないように気をつけましょう。
ただ、本条に規定されている責任のうち、弁護士についての責任に関しては、実務上、よくある種類の責任です。
ですから、実際に本条が問題となることがあります。
本条における消滅時効の期間は3年と、比較的その期間は短いほうといえます。
ですから、本条に規定されている弁護士や公証人に対して業務を依頼する者は、できるだけ、時効の中断(
第147条参照。)などの弁護士や公証人による時効の援用(
第145条参照。)を防ぐための措置を取るようにしましょう。
ただ、言うまでもありませんが、弁護士や公証人は、法律実務に関するプロ中のプロです。
ですから、実際にこのような状況に対応する場合は、同じく法律実務に関するプロ中のプロである、弁護士に相談しましょう。
注意するべき契約書
訴訟事務委託契約書。
法律事務委託契約書。