民法 第172条第1項
    (二年の短期消滅時効)

条文

弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないときは、消滅する。

解説

弁護士、弁護士法人または公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時点から2年間行使しない場合は、消滅します。



これはどういうことかというと、弁護士(弁護士法人を含みます。以下同じ。)と公証人の職務によって発生する債権は、その原因となった事件が終了した時点からその弁護士や公証人が2年間行使しなかった場合は、消滅する、ということです。

なお、「その原因となった事件が終了した時」とは別に、その債権についての弁済期の合意があった場合は、時効の起算点は、その弁済期となります。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。



消滅時効取得時効についても、契約書作成実務が関わってくる点は、せいぜい、当事者間の特約で、時効期間を短縮できるという点くらいです。

消滅時効や取得時効を援用される(第145条参照。)側は、その時効を援用されることによって、自己の権利が相手方に移転したり消滅したりすることがないように気をつけましょう。



ただ、本条に規定されている責任のうち、弁護士についての責任に関しては、実務上、よくある種類の責任です。

ですから、実際に本条が問題となることがあります。



本条における消滅時効の期間は2年と、比較的その期間は短いほうといえます。

そういう意味では、その期間の短さだけに注目すると、比較的簡単に消滅時効が成立します。

ただ、言うまでもありませんが、本項における債権者である弁護士や公証人は、法律実務に関するプロ中のプロです。

ですから、そうそう簡単に消滅時効にかかるようなことはまずないものと思われます。

注意するべき契約書

訴訟事務委託契約書。

法律事務委託契約書。

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