民法 第174条の2第2項
    (判決で確定した権利の消滅時効)

条文

前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

解説

第174条の2第1項の規定は、確定判決の時点に弁済期の到来していない債権については、適用しません。



これはどういうことかというと、例えば、ビジネス上の契約で支払期日(弁済期)前に支払に関するトラブルがあって、支払期日が到来する前に支払に関する訴訟を起こした場合、その判決が支払期日前に確定したときは、その支払債権の時効期間は、第174条の2第1項の規定によって10年となることはない、ということです。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、時効制度そのものは、あまり問題とはなりません。

というのも、時効が問題となる状況では、すでに契約上の信頼関係は存在しないことが多いです。

そのような状況であれば、どのように契約書を作っていようとも、もはやどうにかなるものではないからです。

また、そもそも、時効制度自体、ほとんどが強行規定ですから、契約書によってどうにかできるものではありません。



消滅時効取得時効についても、契約書作成実務が関わってくる点は、せいぜい、当事者間の特約で、時効期間を短縮できるという点くらいです。

消滅時効や取得時効を援用される(第145条参照。)側は、その時効を援用されることによって、自己の権利が相手方に移転したり消滅したりすることがないように気をつけましょう。



また、契約実務上、裁判によって確定判決を得る場合は、本項が適用されることはまずありません。

というのも、実際は、確定判決を出るまでに時間がかかってしまい、結局確定判決が出る頃には、弁済期日が到来していることが多いものです。



ただ、裁判による以外の方法によって確定判決と同一の効力を得る法的手続き(第174条の2第1項解説参照。)によっては、極めて短期間で権利を確定させる効果のあるものもあります。

ですから、これらの法的手続きを活用する場合は、消滅時効の期間との関係もよくよく考えなければなりません。

また、これらの法的手続きは、高度な専門知識が要求されるものばかりです。

ですから、本項によって時効期間を延長させる場合は、必ず専門家に相談しましょう。

注意するべき契約書

契約書全般

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