民法 第20条第3項
    (制限行為能力者の相手方の催告権)

条文

特別の方式を要する行為については、前二項の期間内にその方式を具備した旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。

解説

特別の方式を要する行為、つまり第864条に定められている後見監督人の同意を要する行為については、1ヶ月以上の期間を定めて、その期間内に後見監督人の同意を得たうえでの確答を求める通知をしない場合、あるいは確答の無い場合は、その行為を取り消したものとみなします。



これはどういうことかというと、第864条に定められているような後見監督人の同意が必要な行為は、極めて重要な行為であることが多いため、一般的な催告(第20条第2項参照。)よりも、より厳格な手続でおこなう、ということです。

第20条第2項の場合は、催告があったときに、そのまま確答が無ければ追認したものとみなされるのに対して、本項の場合は、取り消したものとみなされます。

つまり、うっかりして確答しなかった場合でも、制限行為能力者が保護されるということです。



参考

民法第864条(後見監督人の同意を要する行為)

後見人が、被後見人に代わって営業若しくは第13条第1項各号に掲げる行為をし、又は未成年被後見人がこれをすることに同意するには、後見監督人があるときは、その同意を得なければならない。ただし、同項第1号に掲げる元本の領収については、この限りでない。

契約書作成実務における注意点

実務上、後見監督人の同意が必要なくらい重要な契約を、制限行為能力者だけと結ぶことはあまり考えられません。

ただ、実際にそういう状況になった場合は、本条にもとづいて、後見監督人に対する同意まで得る形で、催告をおこないましょう。

それほど重要な契約であるならば、いつ取り消される(第120条第1項参照。)かわからないような不安定な状態のままにしておくのは、極めてリスクが高いものと思われます(第121条参照。)。

ですから、このような場合は、なるべく早く催告するようにしましょう。



なお、催告の際は、後々のトラブルの予防という意味で、必ず後日証拠となるように、書面による配達記録付きの内容証明郵便を使用した書面によって催告をおこないましょう。

また、催告される側としても、確答する際には、同じように書面による配達記録付きの内容証明郵便を使用した書面によっておこないましょう。

注意するべき契約書

第864条に定める種類の契約書。

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