条文
制限行為能力者の相手方は、被保佐人又は第十七条第一項の審判を受けた被補助人に対しては、第一項の期間内にその保佐人又は補助人の追認を得るべき旨の催告をすることができる。この場合において、その被保佐人又は被補助人がその期間内にその追認を得た旨の通知を発しないときは、その行為を取り消したものとみなす。
解説
制限行為能力者の相手方は、
被保佐人(
第13条第1項参照。)または
第17条第1項の審判を受けた
被補助人に対しては、1ヶ月以上の期間を定めて、その期間内にその
保佐人(
第12条参照。)または
補助人(
第16条参照。)の追認を得るように催告をすることができます。
この場合、その
被保佐人(
第13条第1項参照。)または
被補助人がその期間内にその追認を得たという通知をしないときは、その行為を取り消したものとみなします。
これはどういうことかというと、
被保佐人や
被補助人がおこなった
法律行為が追認される(
第122条参照。)のか取り消される(
第120条第1項参照。)のかをハッキリさせるために、その
被保佐人や
被補助人の相手方は、その
被保佐人や
被補助人に対して、それぞれ
保佐人や
補助人の追認を得るように催告ができる、ということです。
同様の条文に
第20条第2項がありますが、
第20条第2項の催告は、
保佐人や
補助人に直接する催告であるのに対して、本項の催告は、
被保佐人や
被補助人を通じて、間接的に
保佐人や
補助人にする催告ということになっています。
間に保護するべき
制限行為能力者(
被保佐人・
被補助人)を挟んだ形になっていますので、
制限行為能力者が保護されることになります。
つまり、
制限行為能力者の相手方が催告したにもかかわらず、確答が無かった場合は、取り消されたものとみなされます。
ということは、
制限行為能力者の側にしてみれば、催告されてもそのまま放置しておいてもいいわけです。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務においては、あまり縁の無い条文です。
わざわざ、
制限行為能力者を通じて催告しなくても、
第20条第2項にもとづいて、直接、
保佐人(
第20条第1項参照。)や
補助人(
第16条参照。)に催告すればいいだけの話です。
制限行為能力者を通じて催告してしまうと、かえって取り消される可能性が高くなりますから、よほど特殊な事情がない限りは、直接、
保佐人や
補助人に催告しましょう。
注意するべき契約書
被保佐人(
第13条第1項参照。)や
被補助人(
第17条第1項参照。)を当事者とする契約書。