条文
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下この節において単に「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
解説
従来の住所(
第22条参照。)または居所(
第23条第1項参照。)を去った者(=不在者)が、あらかじめ財産を管理する者(=管理人)を置かなかった場合は、家庭裁判所は、債権者や親族などの利害関係人、または検察官の請求により、その財産の管理について必要な処置ができます。
また、あらかじめ管理人を置いた場合であっても、本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同じように扱います。
これはどいうことかというと、ある人が、本来生活中心として住んでいる場所や(住所)、それに準ずる場所(居所)からいなくなり、しばらく帰ってこない状態になった場合は、親族や契約の相手方などの利害関係人が困るときがあります。
こういう場合、あらかじめその不在者が財産の管理者を選定していればいいんですが、いつもそうとは限りません。
民法では、管理人がいないからといって、利害関係者が勝手にその不在者の財産をどうにかすることは、許されません(自力救済の禁止)。
そこで、本条によって、家庭裁判所を通じて処理する、ということです。
また、不在者があらかじめ財産管理人を選定していた場合であっても、その権限が消滅したとき(例・委任契約の期間が終了した場合)は、同じように扱う、ということです。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務においては、自分や契約の相手方が、長期間住所(
第22条参照。)から離れるようなことがある場合は、覚えておくべき条文です。
最近は通信機器が発達していますから、いくら留守にしたところで、連絡がつかないという事態は考えにくいとは思います。
ただ、それでも、遠方からいちいち財産管理をおこなうようなことになると、何かとトラブルになりかねません。
ですから、このようば場合は、信頼できる人間に財産管理を任せておくのもひとつの方法です。
その際、事前に管理の内容をしっかりと取り決めた委任契約書を結んでおきましょう。
下手にいい加減に管理を任せてしまうと、財産がとんでもない形で処理されてしまう可能性もあります。
特に、「権限が消滅」しないように、契約期間に注意しましょう。
また、不在者を相手にしなければならないような状況になった場合は、勝手に処理しようとせずに、おとなしく家庭裁判所に申し立てましょう。
勝手に処理してしまうと、刑事事件にもなりかねませんので、注意してください。
注意するべき契約書
委任契約書。
契約書全般。