条文
不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。
解説
不在者が七年間生死不明の場合は、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。
これはどういうことかというと、人の生死というのは、その人の周囲の利害関係が大きく変動することになりますから、明確でないと非常に厄介です。
特に、相続の開始(
第882条)に関係してきます。
相続人にとっては、その人の生死がはっきりしない場合は、その人の財産の相続を始めることができません。
このような事態を避けるため、民法では本条による失踪宣告制度によって、一定期間の間生死が不明の場合は、その者は死亡したものとみなされます(
第31条参照。)。
本項のように、通常の生死不明の場合は、7年間の生死不明によって、家庭裁判所が失踪の宣告をする、ということです。
契約書作成実務における注意点
7年間も生死がわからないような場合で、しかも財産などが残されているようであれば、その財産を活用するという意味でも、すべての場合がそうでないにしても、早々に相続(
第882条)を始めてしまったほうがいいこともあります。
そのような場合、遺産分割協議を始める前に、本項によって不在者を失踪者として死亡したものと取扱い、しかる後に遺産分割協議をおこなうことになります。
くれぐれも、勝手に死亡したものとして取り扱わずに、必ず家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをおこないましょう。
注意するべき契約書
遺産分割協議書。