民法 第30条第2項
    (失踪の宣告)

条文

戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

解説

戦地に行った者や、沈没した船舶の中にいた者、その他死亡するような危険に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が終わった後、船舶が沈没した後、またはその他の危険が去った後で、1年間その生死が明らかでないときも、第30条第1項と同じように、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。



これはどういうことかというと、人の生死というのは、その人の周囲の利害関係が大きく変動することになりますから、明確でないと非常に厄介です。

特に、相続の開始(第882条)に関係してきますから、相続人にとっては、その人の生死がはっきりしない場合は、その人の財産の相続を始めることができないため、その財産の処理が進まないことになります。

このような事態を避けるため、民法では本条による失踪宣告制度によって、一定期間の間生死が不明の場合は、その者は死亡したものとみなされます。



本項のように、特殊な状況での生死不明の場合は、その事情が終了してから1年間の生死不明によって、家庭裁判所が失踪の宣告をする、ということです。

なお、状況からして明らかに死亡しているにもかかわらず、遺体が見つからない場合などは、初めから死亡したものとして扱う場合があります(例:航空機事故)。

契約書作成実務における注意点

命に関わる危険に遭遇して1年間も生死がわからないような場合で、しかも財産などが残されているようであれば、その財産を活用するという意味でも、すべての場合がそうでないにしても、早々に相続(第882条)を始めてしまったほうがいいこともあります。

そのような場合、遺産分割協議を始める前に、本項によって不在者を失踪者として死亡したものと取扱い、しかる後に遺産分割協議をおこなうことになります。

くれぐれも、勝手に死亡したものとして取り扱わずに、必ず家庭裁判所に失踪宣告の申し立てをおこないましょう。

注意するべき契約書

遺産分割協議書。

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