民法 第42条第2項
    (寄附財産の帰属時期)

条文

遺言で寄附行為をしたときは、寄附財産は、遺言が効力を生じた時から法人に帰属したものとみなす。

解説

ある人が、遺言をによって財団法人を設立した場合は、その人が寄附した財産は、遺言が効力を生じた時点(第985条第1項同第2項)から法人に帰属します。



これはどういうことかというと、財団を設立する人によって遺言で寄付される財産の権利の移転の時期がはっきりしないと、亡くなった後に、その財産が、遺産なのか、財団法人の財産なのか、それとも持ち主のいない財産なのかが、はっきりしません。

こうなると、その遺産の相続人や財団法人の利害関係人が困ります。

ですから、本項によって、権利の移転の時期を明確にしています。

本項では、権利移転の時期を、遺言が効力を生じた時(一般的には、遺言を書いた人が死亡した時・第985条第1項)とすることで、財産を寄付する人が亡くなった時点から財団法人設立財産の時点までに、その財産に関する権利が宙に浮くことを防止しています。

契約書作成実務における注意点

本項が直接関わってくるわけではありませんが、遺言で設立される財団を相手方とする契約を結ぶ場合は、遺産相続との関係で、多かれ少なかれトラブルになる可能性があります。

例えば、遺言によって財団法人を設立しようとした人の遺族が、第41条第2項をもとにして遺留分の請求をしてくるようなことも考えられます。

そうなると、財団の財産が、最悪の場合2分の1になる可能性もあります(第1028条参照。)。

つまり、財産という意味での信用力が大幅に低下する可能性があります。

そういう意味では、財団法人の側も、その相手方の側も、大きなリスクがともなうような契約を結ぶのであれば、しっかりと相続が確定してから結ぶようにしましょう。

注意するべき契約書

遺言によって設立された財団法人が当事者となっている契約書。

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