条文
理事が数人ある場合において、定款又は寄附行為に別段の定めがないときは、法人の事務は、理事の過半数で決する。
解説
理事が数人ある場合、定款(
第37条参照。)または寄附行為(
第39条参照。)で特に決めていないときは、法人の事務は、理事の過半数の賛成によって決定されます。
これはどういうことかというと、特に定款や寄付行為で決めていない場合、法人の事務は、理事の過半数の賛成によって決定される、ということです。
事務というのは、法人内での意思決定をおこなうことです。
ちなみに、事務の決定を実際に対外的におこなうことを、職務の執行といいます。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務において、本項に該当する法人と重要な契約を結ぶ場合、通常、契約を結ぶか否かの決定を、理事会でおこなうことになります。
そういう意味では、いかに理事がそれぞれ代表権を持っている(
第53条参照。)とはいえ、実質的には合議制のようなものとなります。
つまり、それだけ契約交渉の場面では、理事会の動向に気をつけなくてはいけません。
特に、法人側の立場の場合は、相手方に過度の期待をさせるような言動は慎みましょう。
というのも、相手方としてみれば、新たに契約を結ぶ場合、契約の内容によっては、新規で従業員の雇用をおこなったり、設備投資をおこなったり、調査をおこなったりと、何かと準備をおこなわなくてはならないこともあります。
そうした準備をおこなったにもかかわらず、最終的に契約を結ぶにいたらなかった場合、誰がその費用を負担するのか、ということになります。
このような場合、状況によっては、上記のような費用をかけた相手方からの損害賠償請求(
第709条)が認められる可能性があります(判例)。
そのため、法人側の立場の場合は、理事会の方向性などを相手方に報告し、契約を結ぶ可能性が低いのであればその旨も伝えて、下手に損害賠償請求などをされないようにしましょう。
注意するべき契約書
法人が当事者となっている
契約書全般。