民法 第52条第2項
    (理事)

条文

理事が数人ある場合において、定款又は寄附行為に別段の定めがないときは、法人の事務は、理事の過半数で決する。

解説

理事が数人ある場合、定款(第37条参照。)または寄附行為(第39条参照。)で特に決めていないときは、法人の事務は、理事の過半数の賛成によって決定されます。



これはどういうことかというと、特に定款や寄付行為で決めていない場合、法人の事務は、理事の過半数の賛成によって決定される、ということです。

事務というのは、法人内での意思決定をおこなうことです。

ちなみに、事務の決定を実際に対外的におこなうことを、職務の執行といいます。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、本項に該当する法人と重要な契約を結ぶ場合、通常、契約を結ぶか否かの決定を、理事会でおこなうことになります。

そういう意味では、いかに理事がそれぞれ代表権を持っている(第53条参照。)とはいえ、実質的には合議制のようなものとなります。

つまり、それだけ契約交渉の場面では、理事会の動向に気をつけなくてはいけません。



特に、法人側の立場の場合は、相手方に過度の期待をさせるような言動は慎みましょう。

というのも、相手方としてみれば、新たに契約を結ぶ場合、契約の内容によっては、新規で従業員の雇用をおこなったり、設備投資をおこなったり、調査をおこなったりと、何かと準備をおこなわなくてはならないこともあります。

そうした準備をおこなったにもかかわらず、最終的に契約を結ぶにいたらなかった場合、誰がその費用を負担するのか、ということになります。

このような場合、状況によっては、上記のような費用をかけた相手方からの損害賠償請求(第709条)が認められる可能性があります(判例)。

そのため、法人側の立場の場合は、理事会の方向性などを相手方に報告し、契約を結ぶ可能性が低いのであればその旨も伝えて、下手に損害賠償請求などをされないようにしましょう。

注意するべき契約書

法人が当事者となっている契約書全般

このサイトの全てまたは一部につき、無断の転写・転載は厳にお断り致します。

このサイトはリンクフリーです。
相互リンクもおこなっています。相互リンクをご希望の場合は、リンクについてをご覧ください。

ご意見・ご感想などがございましたら、ぜひr_osanai@msj.biglobe.ne.jpまでお寄せください。