民法 第53条
    (法人の代表)

条文

理事は、法人のすべての事務について、法人を代表する。ただし、定款の規定又は寄附行為の趣旨に反することはできず、また、社団法人にあっては総会の決議に従わなければならない。

解説

理事は、法人のすべての事務について法人を代表する、いわゆる代表権者です。

ただし、第37条に規定する定款や、第39条に規定する寄付行為に違反することがあってはなりません。

また、社団法人の場合は、社員総会(第63条参照。)の決議に従わなければなりません。



これはどういうことかというと、理事が法人の代表権者であっても、定款や、寄附行為に違反することはできず、社団法人の社員総会の決議には従わないとならない、ということです。



なお、理事が数人いる場合は、それぞれに代表権があります(判例)。

つまり、代表取締役を設けている株式会社の取締役よりも、はるかに強力な権限を持っていることになります。

そのため、理事長や代表理事というのは、代表権についてはあまり意味のある肩書きではありません。

代表権については、理事であるかそうでないかだけが問題です。

ただし、宗教法人は代表役員、信用金庫は代表理事、中小企業協同組合は代表理事が代表権者になります。

契約書作成実務における注意点

法人と契約を結ぶ場合、法人そのものは、サインすることも押印することもできません。

ですから、その法人を代表する代表権者が、実際に契約書にサインや押印をおこなうことになります。



財団法人や社団法人の場合は、理事と契約を結ぶことになります。

具体的には、「財団法人(あるいは社団法人)○○ 理事○○」という形でサインすることになります。

必ず、法人の正式名称と、理事という肩書きと、書いた本人の名前を書いてもらってください。

そうでないと、その書いた人個人と契約したことになってしまうおそれがあります。



また、理事が結んだ契約が、本条でいうところの「定款の規定又は寄附行為の趣旨に反」していたりや「総会の決議」に反していたりした場合は、その契約は無効となります。

注意するべき契約書

法人が当事者となっている契約書全般

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