民法 第54条
    (理事の代理権の制限)

条文

理事の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

解説

理事の代理権(第53条参照。)に制限を加えた場合は、その制限を知らない(善意)第三者対して理事の代表権の制限を主張することはできません。



これはどういうことかというと、いかに理事の代表権を制限しようとも、その事情を知らない第三者にとってみれば、その制限はあくまで法人内部の話でしかありません。

そのため、そうした事情を知らない第三者を保護するために、本条によって、その制限を知らなかった場合は、その制限は無いものとして取り扱う、ということです。

もっとも、第三者のほうが、理事の代表権の制限について既に知っていた場合は、その第三者は保護されません。

契約書作成実務における注意点

法人の側にしてみれば、いくら理事の代理権(第53条参照。)を制限したところで、その制限が契約の相手方に伝わっていなければ、まったく意味が無いということになります。

つまり、ある理事が、制限された代表権の範囲外の契約を、その制限を知らない相手方と結んでしまった場合は、その契約は有効となってしまいます。

このような点を考えると、理事の任命は、慎重におこなわなければなりません。

このようなことが起こらないように、越権行為をするような者を理事を任命しないようにしましょう。

注意するべき契約書

法人が当事者となっている契約書全般

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