条文
法人と理事との利益が相反する事項については、理事は、代理権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、特別代理人を選任しなければならない。
解説
法人と理事(
第53条参照。)との利害関係が対立する行為については、理事は、その法人の代表権を有しません。
この場合、裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって、特別代理人を選任しなければなりません。
これはどういうことかというと、例えば、理事個人と法人とが当事者となって契約を結ぶ場合が、本条に該当します。
この場合、ほかに理事がいれば、その理事が法人を代表することになりますから、特に特別代理人を選任する必要はありません。
理事が1人しかいないような場合は、理事個人と法人とが当事者とならざるをえません。
ですから、法人の利益を保護するために、特別代理人を選任する必要があります。
契約書作成実務における注意点
実際には、あまりありえる話ではありませんが、例えば、法人が理事に対して融資をおこなう場合や、法人の財産(不動産など)を理事に売却する場合などでは、理事にとって不当に有利な契約(=法人にとって不当に不利な契約)となることが懸念されます。
このようなことのないように、他に理事がいない場合などには、裁判所に特別代理人を選任してもらいましょう。
注意するべき契約書
法人と理事個人とが当事者となっている契約書。