条文
前条第一項の期間の経過後に申出をした債権者は、法人の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。
解説
第79条第1項の期間が経過した後に債権者がその債権を申し出た場合は、その債権者は、清算法人の債務が完済された後に、まだ権利の帰属すべき者(
第72条第1項、
第72条第2項参照。)に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができます。
これはどういうことかというと、清算人(
第78条第1項参照。)が官報による清算公告(
第79条第1項参照。)をおこなって、債権者に債権を申し出るように催告しているにもかかわらず、債権を申し出なかった債権者は、清算法人の債務が完済した後の残った財産に対してだけしか、債務の弁済の請求ができない、ということです。
契約書作成実務における注意点
契約書を作成して、法人と契約を結んでいる債権者の場合は、「知れている債権者」に該当するものと思われますので、清算から除外されることはないものと思われます(
第79条第2項参照。)。
また、同様に、官報での清算公告ではなく、個別に催告されるものとも思われます(
第79条第3項参照。)。
法人から催告があった場合は、速やかに債権を申し出ましょう。
ちなみに、契約書が存在しないような場合、つまり、例えば口頭の契約の場合などには、証拠がありませんから、「知れている債権者」とならない可能性があります。
そうなると、本条に該当しないようにするためには、いちいち官報をチェックしなくてはなりません。
このような面倒なことにならないためにも、しっかりとした契約書を作成しておきましょう。
なお、本条によって、他の債務の弁済が終わった後の残った財産から債権が弁済されることになった場合は、当然、財産があまり残ってはいませんので、債権の回収はほとんど絶望的な状況になります。
ですから、そうならないためにも、このような事態になる前に、事前に契約を解除できるような特約(
第540条第1項)を契約条件に設定しておき、いざというときに、速やかに債権回収ができるような契約内容にしておきましょう。
注意するべき契約書
法人が当事者となっている
契約書全般。