条文
前項に規定する場合において、清算中の法人が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
解説
第81条第2項に規定する場合、清算中の法人(
第73条参照。)がすでに債権者に支払いを済ませた財産、または権利の帰属すべき者(
第72条第1項、
第72条第2項参照。)に引き渡した財産があるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができます。
これはどういうことかというと、破産手続を開始した場合は、破産管財人が、破産法に従って清算法人の財産を処分することになります。
そのため、清算人(
第78条第1項参照。)が清算中に債権者などに支払ったり引き渡したりした財産を、破産管財人が取り戻すことができる、ということです。
契約書作成実務における注意点
通常の破産の場合は、破産した者が債権者に危害を加える目的でおこなった行為で、しかも相手方がこの目的を知っていておこなった行為や、破産した者がおこなった支払停止や破産の申立ての後の債権者に危害を加える行為で、しかも相手方がこの目的を知っていておこなった行為でなければ、その行為を否認し、財産を取り戻すことはできません(破産法160条第1項参照。) 。
しかし、本項によって、公益法人の清算中の破産の場合は、例外的に、破産管財人が、より多くの財産を取り戻すことができます。
逆に言うと、清算中の法人から何らかの形で財産を受け取った場合は、後になって破産手続きの開始が決定したりすると、結局受け取った財産を返還しなくてはならなくなります。
そういう意味では、いかに契約書などの書類を作成して、しっかりとした手続で財産の受渡があった場合であっても、最終的に覆されてしまう可能性がある、ということです。
清算中の公益法人から財産を受け取るときは、これらの点を踏まえて、くれぐれも注意しましょう。
注意するべき契約書
清算中の公益法人が当事者となっている
契約書全般。