民法 第86条第1項
    (不動産及び動産)

条文

土地及びその定着物は、不動産とする。

解説

土地や、その土地に定着している物、つまり建物や立木、橋、石垣などは、不動産とします。



民法では、不動産と動産とでは、その扱いが大きく異なってきます。

ですから、「物」が、不動産であるか動産であるかは、法的にも契約書作成実務のうえでも、重要なポイントになります。



土地が不動産であることには、問題がありません(ただし地中の鉱物などは例外・鉱業法2条)。



建物については、どの時点で建物と言えるのかが問題となります(特に建設中の建物)。

この点については、判例の判断が様々で、一義的にどの時点で建物と言えるかの判断はされていません。

よって、最終的には裁判所の判断に委ねられることになります。



また、そのほかの定着物については、明治時代や大正時代の判例によって定義付けられてはいます。

ただ、具体的に個別の物が定着物であるかは、最終的には裁判所の判断に委ねられることになります。



なお、立木は、「立木ニ関スル法律」という特別法によって、不動産として認められています。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務において、本項が問題となるのは、不動産売買契約、特に土地の売買契約の際に問題となります。

更地の土地の売買契約や、更地にして土地を引き渡す条件の売買契約であれば、特に問題にはなりません。

ですが、建物や立木以外の定着物がある土地を引き渡す条件の売買契約であれば、その定着物の取扱を契約条項として記載しておかなくてはなりません。

例えば、土地に設置している機械のように、その状態によっては、定着物なのか独立したひとつの動産(第86条第2項参照。)なのか判断が分かれる可能性があります。

このような場合は、その物の取扱を契約書によって定めておかないと、後日解釈の違いによって、トラブルになる可能性があります。

具体的には、土地の買い手はその機械を土地の定着物として解釈し、当然土地と一緒に引き渡してもらえるものだと考え、土地の売り手はその機械を独立したひとつの動産として解釈し、土地を引き渡す前に分離して他に売却してしまう、ということになりかねません。

土地だけには限りませんが、売買契約においては、対象となる物を明確にしておく必要がありますので、注意しましょう。

注意するべき契約書

不動産売買契約書。
特に土地の売買契約書。

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