条文
解説
無記名債権は、債権ではなく動産(=物)として扱います。
無記名債権とは、映画のチケットや電車の切符、商品券などのように、権利を行使する債権者が特定されていない(=記名されていない)債権のことです。
この無記名債権を動産として扱うということは、無記名債権を実際に具現化した証券(=チケットや切符などの権利の内容を表示した券)と、その債権を同じものとみなす、ということです。
法理論のうえでは、証券とその内容の債権は、別物の存在です。
ですから、証券の所有者とその内容の債権の債権者とは、別人であることもありえます(あくまで理論のうえでのことですが)。
例えば、電車の切符を持っている人と、実際に電車に乗る権利がある人が別になりうる、ということです。
ですが、これでは、証券自体が無記名である以上、実際に債権者が誰であるかわかりません。
それに、実際には、頻繁に所有者=債権者が変わるものですから、いちいち一般の債権と同じように取扱うわけにはいきません(債権譲渡の際の手続など)。
ですから、普通は証券を持っている人が債権者であるという実態を重視し、また、より簡単に証券を流通させることができるように、本項によって、無記名債権を動産として扱う、ということです。
契約書作成実務における注意点
通常、個人間の無記名債権のやり取りで、わざわざ契約書を使うことはありません。
ただし、高額な債権のやりとりがともなう無記名債権を扱う契約の場合や、企業間の取引などで大量の無記名債権を取り扱う場合は、しっかりとした契約書を作成しましょう。
注意するべき契約書
売買契約書。