条文
意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に未成年者又は成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。ただし、その法定代理人がその意思表示を知った後は、この限りでない。
解説
意思表示の相手方が、その意思表示を受けた時点で
未成年者(
第5条第1項参照。)または
成年被後見人(
第9条参照。)であった場合は、意思表示をした者は、その相手方に対してその意思表示を主張することはできません。
ただし、その
法定代理人がその意思表示を知った後は、その相手方に対してその意思表示を主張することができます。
これはどういうことかというと、
未成年者や
成年被後見人は、意思表示の受領能力が制限されている(というより受領できない)、ということです。
そのため、
未成年者や成年後見任意に対して意思表示をした者は、
未成年者や
成年被後見人に対して、意思表示をしたということを主張できません。
ただし、法定代理人、つまり、
未成年者の場合は一般的には親、
成年被後見人の場合は
成年後見人(
第8条参照。)はその意思表示を受領できます。
ちなみに、
未成年者や
成年被後見人の側からの意思表示の受領の主張はできます。
なお、被保佐人(
第20条第1項参照。)や、
被補助人(
第16条参照。)は、意思表示を受領することができます。
これは、
未成年者や
成年被後見人に比べて、被保佐人や
被補助人は判断能力があるとされているからです。
契約書作成実務における注意点
契約書作成実務においては、
制限行為能力者に対する意思表示は、制限行為能力者の保護者に対しておこなうべきです。
いくら制限行為能力者に意思表示をしようとも、本条によって
未成年者や
成年被後見人は、意思能力の受領が制限されているからです。
また、被保佐人や
被補助人は、意思能力の受領は制限されていませんが、その意思表示にもとづいて相手方に対応する場合、たいていのときは、
保佐人や
補助人の同意が必要となってくるからです。
つまり、最終的な実務処理をおこなうことができる者に意思表示をすることによって、後々の事務処理が煩わしくなくることを防ぐ、ということです。
具体的には、
未成年者の場合は法定代理人(一般的には親)、
成年被後見人の場合は
成年後見人、被保佐人の場合は
保佐人、
被補助人の場合は
補助人に対して意思表示をおこなうことになります。
注意するべき契約書
契約書全般。
特に制限行為能力者を当事者とする契約書。