民法第121条(取消しの効果)の条文

第121条(取消しの効果)

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。




民法第121条(取消しの効果)の解説

趣旨

本条は、取消しの効果について規定しています。

取り消された行為は、初めから無効、つまり初めからそのような行為は無かったものとみなします。

みなし規定

本条は、いわゆる「みなし規定」です。

【意味・定義】みなし規定とは?

みなし規定とは、「みなす」という表現が使われている法律上の規定のことであり、ある事実があった場合に、法律上、当然にそのような効果を認める規定のことをいう。

このため、当初有効であった取消し前の行為は、有効であったことを立証したとしても、無効扱いとなります。




用語の定義

取消しとは?

【意味・定義】取消しとは?

取消しとは、いったん有効に効果が生じた法律行為を遡って無効にすることをいう。

無効とは?

【意味・定義】無効とは?

無効とは、初めから当然に効果を生じないことをいう。




改正情報等

新旧対照表

民法第121条(取消しの効果)新旧対照表
改正法旧法

改正第121条(取消しの効果)

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。

旧民法第121条(取消しの効果)

取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

本条は、平成29年改正民法(2020年4月1日施行)により、以上のように改正されました。

改正情報

本条は、改正により、ただし書きが削除されました。

これは、新設された改正民法第121条の2第3項に本条のただし書きの内容が規定されたためです。




 

契約実務における注意点

本条は、取消しの定義に関する規定であるため、特に契約実務におえる注意点はありません。

注意すべき契約書

  • 該当なし