リース契約とフランチャイズ契約
法務省では、現在(2006年10月3日)、 民法を抜本的に改正するための改正案を作成中です。
2008年の通常国会での改正案の提出を目指しています。
これが実現すると、実に60年ぶりの抜本的な改正ということになります。
契約書作成実務の観点から重要な改正点は、主に2点。
ひとつ目はリース契約について、もうひとつはフランチャイズ契約についてです。
リース契約、フランチャイズ契約双方とも、アメリカから伝わってきたビジネスモデルです。
リース契約やフランチャイズ契約は、現在でこそメジャーになっている契約ですが、その歴史は浅く、日本では、戦後に定着した契約形態です。
つまり、それだけ新しい契約である、ということです。
これに対し、民法は明治時代に制定された法律です。
当然、このようなビジネスモデルには追いついていません。
また、特に、民法以外の
特別法で規制するようなこともありませんでした。
一部、道路運送法第80条第2項によって、自家用自動車の貸渡の許可(リース業)に許可制を導入しているということと、一部のフランチャイズ契約について、中小小売商業振興法と同施行規則によって、情報開示義務が課されている程度の規制はあります。
ただ、どちらも、非常に緩やかな規制ですから、一部の悪質なリース業者やフランチャイズ本部による被害が後を絶ちません。
また、規制が緩やかであるということは、それだけ自由に契約を結ぶことができる、ということです。
つまり、リース契約やフランチャイズ契約は、それだけ、契約自由の原則が徹底している契約ということです。
ということは、リース契約やフランチャイズ契約を結ぶ当事者、特に、リース契約にあっては、レッシー(リースの借り手)、フランチャイズ契約にあっては、フランチャイジー(加盟店)の知識不足や認識不足によって、トラブルが多発しています。
おそらく、法務省は、このような現状を踏まえて、一定の規制を課す目的で、民法改正を目指しているものと思われます。
逆に言うと、それだけ、リース契約やフランチャイズ契約には、トラブルが多い、ということです。
上記のように、リース契約やフランチャイズ契約は、契約自由の原則が徹底しているため、契約書によって、契約条件が細かく記載されていることが多いです。
ある意味では、これらの契約は、契約書が生命線であるといえます。
それだけ、レッシーやフランチャイザーには、契約書を細かく分析する能力や、契約についてのリスクを見抜くスキルが要求されます。
逆に、レッサー(リースの貸し手)やフランチャイザー(フランチャイズ本部)には、自己の権利や利益を確保し、リスクを回避できるように、極めて高度なスキルにもとづいた契約書の作成実務能力が要求されます。
リース契約にしても、フランチャイズ契約にしても、非常に高度な専門知識を必要とします。
契約書の作成や契約締結の際には、この点に気をつけましょう。
注意すべき契約書
リース契約書
フランチャイズ契約書