【意味・定義】瑕疵とは?
瑕疵=物質的欠陥・法律的欠陥
瑕疵とは、物理的欠陥または法律的欠陥のことです。
一般的には、瑕疵は、物の物理的な欠陥のことをいいます。
この他、法律的な欠陥についても、瑕疵といえます。典型的な例としては、土地に都市計画法などによる規制がある場合などが該当します。
瑕疵担保責任は契約不適合責任へ
民法における瑕疵は、いわゆる「瑕疵担保責任」として広く知られています。
ただ、瑕疵担保責任における瑕疵は、平成29年改正民法により、契約不適合に改められました。
よって、現在では、瑕疵担保責任は、契約不適合責任と表現します。
瑕疵ある意思表示=不完全な意思表示
この他、民法では、瑕疵という用語は、第101条(第101条第1項・第101条第2項参照)の見出しや第120条第2項等で使われています。
これらの内容は、意思の不存在、錯誤(第95条第1項参照)、詐欺・強迫(第96条第1項参照)について規定したものです。
このため、詐欺または強迫による意思表示を「瑕疵ある意思表示」といいます。
これは、詐欺や強迫による意思表示は、意思表示の過程に欠陥があり、不完全な意思表示となっているためです。
意思の欠缺=意思の不存在
これに対し、そもそも意思表示に対応した意思が存在しない場合(=意思の不存在)を「意思の欠缺」といいます。
これは、錯誤、心裡留保、通謀虚偽表示など、表示だけが存在し、真意が存在しない場合が該当します。
なお、錯誤については、伝統的には「意思の欠缺」とされていますが、瑕疵ある意思表示とする見解もあります。
契約実務における注意点
「瑕疵」という言葉は、日常生活ではまず使われない言葉です。
ただ、漢字の表現から、なんとなく「傷」(=瑕・疵ともに「キズ」と読みます)の意味ではないか、というように推察はされます。
このため、契約書で「瑕疵」という用語を使った場合、相手によっては、意味が伝わらない可能性もあります。
また、(むしろこちらの方が重要ですが)相手方に瑕疵の意味が伝わったとしても、具体的に何をもって瑕疵と認定するのか、という点が問題となることがあります。