【意味・定義】和解とは?

和解とは、一般に、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることをいう。




【意味・定義】和解とは?

和解とは、一般的には、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることです。

和解は、次の2つに大別されます。

2種類の和解
  • 民事上の和解・私法上の和解・裁判外の和解:民法上の和解契約(民法第695条以下)によるもの。
  • 裁判上の和解:民事訴訟法第275条によるもの。

なお、裁判上の和解は、さらに裁判前の和解(「即決和解」といいます。民事訴訟法第275条第1項参照)と訴訟上の和解に分けられます。

即決和解は事項の完成猶予・更新の事由

民法では、即決和解は、時効の完成猶予および更新の事由のひとつとされています(民法第147条第1項第3号参照)。

第147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

1 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6ヶ月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

(1)裁判上の請求

(2)支払督促

(3)民事訴訟法第275条第1項の和解又は民事調停法(昭和26年法律第222号)若しくは家事事件手続法(平成23年法律第52号)による調停

(4)破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

裁判上の和解は消滅時効の延長事由

また、裁判上の和解があった場合、短期消滅時効は、10年の消滅時効となります(民法第169条第1項)。

第169条(判決で確定した権利の消滅時効)

1 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年とする。

2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。




契約実務における注意点

消滅時効を主張できる場合は和解に注意

すでに述べたとおり、裁判上の和解は、時効の完成猶予・更新の事由になったり、短期消滅時効が10年になったりします。

このため、消滅時効を主張する場合は、非常に不利な制度であるといえます。

この点から、消滅時効を主張する立場にある場合、和解については、慎重な判断が求められます。

和解契約は覆すことができない=和解の確定効

また、和解契約の場合、契約の確定後、和解契約の内容と異なる事実の証拠が出てきたとしても、和解契約を覆すことはできません(民法第696条)。

これを「和解の確定効」といいます。

【意味・定義】和解の確定効とは?

和解の確定効とは、和解契約の確定後、和解契約の内容と異なる事実の証拠が出てきたとしても、和解契約を覆すことができない効力をいう。

和解契約は、紛争の終局を実現することを目的とした契約であることから、このような確定効を認めることで、紛争を蒸し返すことができないようになっています。

このため、和解契約を結ぶ場合は、通常の他の契約以上に、慎重に内容を検討しなければなりません。




和解に関するよくある質問

和解とは何ですか?
和解とは、一般に、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることのことです。
和解にはどのような種類がありますか?
和解には、次の2種類があります。

  • 民事上の和解・私法上の和解・裁判外の和解:民法上の和解契約(民法第695条以下)によるもの。
  • 裁判上の和解:民事訴訟法第275条によるもの。