民法第107条第1項(復代理人の権限等)の条文

第107条(復代理人の権限等)

1 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

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民法第107条第1項(復代理人の権限等)の解説

趣旨

復代理人はあくまで復代理権の範囲内で本人を代理する

本項は、復代理人の権限について規定しています。

復代理人は、その権限内の行為について、(代理人ではなく)本人を代理します。

本項の場合の「代表」は、代理のことです。

復代理人は、あくまで復代理権の範囲内での行為しかできません。

なお、復代理人と代理人は、ともに本人を代理します(大審院判決大正10年12月6日)。

復代理人の代理権は代理人の代理権の範囲内

復代理人が代理人よりも広い範囲の代理権を有することは、理論上あり得ません。

このため、復代理権の範囲は、最大でも、代理人の代理権の範囲と同一です。

具体的な復代理権の範囲は、代理人と復代理人との委任契約において決定されます。

なお、復代理人の選任は代理人よる復代理人に対する代理権の譲渡ではありません。

このため、復代理人を選任したからといって、代理人の代理権は消滅しません。

民法改正情報

本条は、平成29年改正民法(2020年4月1日施行)により、以下のように改正されます。

削除される現行の第105条第1項第105条第2項に代わって、現行の第106条が改正後の第105条にスライドし、合わせて、現行の本条も改正後の第107条にスライドする形になります。

現行法

第107条(復代理人の権限等)

1 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

改正法

第106条(復代理人の権限等)

1 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

また、次のとおり、第107条が別途新設されます。

第107条(代理権の濫用)

代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。

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契約実務における注意点

復代理人の権限の範囲は、契約実務上は、委任契約によって決定します。

このため、代理人と復代理人との委任契約の内容と委任契約書の記載は、非常に重要です。

代理人(任意代理法定代理人とも)は、原則として、復代理人の選任や監督、あるいはその行為について責任を負わなくてはなりません(第105条第1項第105条第2項第106条参照)。

それだけ、復代理人との復委任契約の内容は、しっかりと規定しておかなければなりません。

能力・資質に問題がある者を復代理人とする委任契約の場合、できる限り権限の範囲を狭くしなりません。

それ以前の問題として、能力・資質に問題が有る者を復代理人にしてはなりません。

また、復代理人との復委任契約書においては、代理人が復代理人を監督できる規定を明記しておきます。

これは、復委任契約書にもとづいて復代理人を監督できなければ、代理人としては、復代理人の監督義務を果たすことができないからです。

注意すべき契約書

  • 復代理人との復委任契約書