民法第18条第1条(補助開始の審判等の取消し)の条文

第18条(補助開始の審判等の取消し)

1 第15条第1項本文に規定する原因が消滅したときは、家庭裁判所は、本人、配偶者、4親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判を取り消さなければならない。

2 家庭裁判所は、前項に規定する者の請求により、前条第1項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。

3 前条第1項の審判及び第876条の9第1項の審判をすべて取り消す場合には、家庭裁判所は、補助開始の審判を取り消さなければならない。




民法第18条第1項(補助開始の審判等の取消し)の解説

趣旨

本項は、補助開始の審判の取消しについて規定しています。

認知症、知的障害、精神障害などの物事の認識が不十分な原因が消滅した者については、家庭裁判所は、次のいずれかの者の請求により、補助開始の審判を取り消さなければなりません。

補助開始の審判の取消しを請求できる者
  • 本人
  • 配偶者
  • 4親等内の親族
  • 未成年後見人
  • 未成年後見監督人
  • 補助人
  • 補助監督人
  • 検察官

 

判断能力が回復した者は行為能力者と同じ

被補助人にとって、補助人が必要な原因、つまり認知症、知的障害、精神障害などの物事の認識が著しく不十分な原因が消滅した場合は、すでにその被補助人を保護する理由はなくなります。

このような場合、家庭裁判所は、上記の関係者の申し立てによって、通常の行為能力者と同じ扱いに戻すための手続をしなくてはならなりません。




契約実務における注意点

本項は手続き的規定ですので、契約実務においては、あまり問題になることはありません。

注意すべき契約書

  • 特に注意すべき契約書はありません。