【意味・定義】法定代理とは?
法定代理とは、法律により代理権が発生する代理のことです。法定代理による代理人を「法定代理人」といいます。
なお、法定代理に対して、委任による代理のことを「任意代理」といいます。
補足
法定代理は、法律により、本人(代理される本人であり代理人のことではありません)の意思とは関係なく代理人に代理権が付与されることで成立する代理です。
ただし、一部の法定代理には本人の同意が必要なこともあります(第876条の4第2項・第876条の9第2項参照)。
法定代理は、任意代理とは異なり、代理権の範囲(法定代理人の権限)などが明確に法律で決まっているため(または裁判官が決めるため)、委任契約に比べて、トラブルは少ないといえます。
契約実務における注意点
法定代理は、本人を保護するために法律によって定められている代理です。
言い換えれば、法定代理がわざわざ定められている者(特に制限行為能力者)は、民法上、それだけ強力に保護されているということです。
契約実務では、法定代理がある場合は、本人ではなく、法定代理人を相手に交渉することが重要となります。
というのも、法定代理人は、制限行為能力者に代わって、完全に意思表示をすることができます。
このため、契約の相手方が制限行為能力者であった場合は、その法定代理人との契約交渉が重要となります。