民法第34条(法人の能力)の条文

第34条(法人の能力)

法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

スポンサードリンク

民法第34条(法人の能力)の解説

趣旨

本条は、法人の権利能力について規定しています。法人は、法令や法人の根幹となるルールである定款または寄附行為で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負います。本条により、法人は、あくまで定款や寄付行為で規定した目的の範囲内の権利義務があり、その範囲外については、権利義務がありません。

目的の範囲

目的の範囲については、判例によって、営利法人と非営利法人では、若干解釈が違っています。営利法人の場合、利潤を追求するという営利法人の性格から、目的の範囲は、かなり緩やかに解釈されています。

例えば、政治献金でさえ、目的として認められています(最高裁判決昭和45年6月24日・八幡製鉄事件)。

非営利法人の場合は、営利法人と比べて、この目的の範囲というのは、厳格に解釈されています。

例えば、同じ政治献金にしても、税理士会という非営利法人がおこなった政治献金は、この目的の範囲外とされています(最高裁判決平成8年3月19日)。

旧規定について

本条の内容は、2008年の民法改正以前は、旧民法第43条の内容でした。

また、本条は、2008年の民法改正以前は、公益法人の設立について規定されていました。

なお、旧民法第34条の規定は、次のとおりです。

旧民法第34条(公益法人の設立)

学術、技芸、慈善、祭祀、宗教その他の公益に関する社団又は財団であって、営利を目的としないものは、主務官庁の許可を得て、法人とすることができる。

スポンサードリンク

契約実務における注意点

契約実務において、本条は、一般的にはあまり重要な規定ではありません。

なお、株式会社が新規事業を始める際に、定款のいわゆる事業目的を変更し、その変更登記をしなければなりません。

この点は、意外と忘れがちなため、注意を要します。

また、このような変更登記が面倒だからといって、会社設立の際に多くの事業目的を定款に規定することがあります。

ただ、事業目的は登記記載事項ですので、あまりにも多くの事業目的は、登記記載事項を見た者に不信感を与える可能性があります。

注意すべき契約書

  • 定款