民法第172条第1項(2年の短期消滅時効)の条文
第172条(2年の短期消滅時効)
1 弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から2年間行使しないときは、消滅する。
2 前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から5年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。
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民法第172条第1項(2年の短期消滅時効)の解説
趣旨
本項は、弁護士、弁護士法人または公証人の職務に関する債権の消滅時効について規定しています。
弁護士、弁護士法人または公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時点から2年間行使しない場合は、消滅します。
なお、「その原因となった事件が終了した時」とは別に、その債権についての弁済期の合意があった場合は、時効の起算点は、その弁済期となります(大審院判決明治40年3月16日)。
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契約実務における注意点
消滅時効は、契約にもとづく権利義務が消滅する制度であるため、契約実務上は重要です。
本項における消滅時効の期間は2年であり、消滅時効の期間としては、かなり短いほうであるといえます。
この期間の短さだけに注目すると、比較的簡単に消滅時効が成立するといえます。
ただし、本項における債権者である弁護士や公証人は、法律実務のプロ中のプロです。
このため、本条により消滅時効にかかるようなことは、滅多にないものと思われます。
注意すべき契約書
- 訴訟事務委任契約書
- 法律事務委任契約書