民法 第5条第1項
    (未成年者の法律行為)

条文

未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

解説

未成年者法律行為をおこなうには、法定代理人(一般的には親。)の同意を得なければなりません。

ただし、単に権利を得たり、または義務を免れるだけの法律行為については、法定代理人の同意を得ることなく、未成年者が、単独でもできます。



民法では、未成年者は、判断力が備わっていないとされているため、不利な内容の契約を結んでしまわないように、強力に保護されています。

本条がその代表で、未成年者は、原則として単独で法律行為ができず、法定代理人(一般的には親)の同意があって、初めて完全に有効な法律行為をおこなうことができます。

法定代理人の同意の無い未成年者による単独の法律行為は、後々に取り消すことができます(第5条第2項参照。)。



ただ、そうはいっても、何でもかんでも制限されてしまっては、未成年者は、法定代理人の同意がなければ、なにもできなくなってしまいます。

そうならないために、例外として、単に権利を得たり、義務を免れるような法律行為は、未成年者単独でできるようになっています。

例えば、まったく負担の無い、金銭の贈与(お年玉)とか、借金を帳消しにしてもらうことなどです。

また、法定代理人が処分を許した財産(いわゆるお小遣い。)も、未成年者が自由に処分できることになってます(第5条第3項参照。)。

契約書作成実務における注意点

契約書作成実務という点では、原則として常にその行為を取り消しうる未成年者との契約は、極めてハイリスクな契約ということになります(第5条第2項参照。)。

それでもなお、リスクを抑えて未成年者と契約を結ぶのであれば、法定代理人による書面での同意を求めたり、または催告などで追認を求めたり(第20条第2項参照。)しなければなりません。

それだけ煩雑な手続を踏まなくてはなりませんので、当然コストはかかります。



また、法定代理人から同意や追認を得ることができない、というリスクもあります。

さらに、なによりも、取り消された後の不当利得(第703条)の返還請求が困難であるという点が、非常に厄介です(第121条参照。)。

ですから、契約書作成実務という点や、ビジネス上のリスク管理という点では、そもそも未成年者を対象としたビジネスは、避けるべきものかもしれません。

なお、このような無用のリスクを回避するために、未成年者と思われる相手は、必ず身分証明書などで年齢を確認しましょう。



また、未成年者や、その法定代理人は、本条によって未成年者が強力に保護されているということを覚えておいてください。

もし、未成年者が一方的に不利な契約を結んでしまったとしても、取り消し(第5条第2項参照。)や、追認拒絶(第20条第1項第20条第2項参照。)によって、未成年者を保護することができます。

注意するべき契約書

未成年者が当事者となる契約書全般

特に、法定代理人の同意書

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