民法第146条(時効の利益の放棄)の条文

第146条(時効の利益の放棄)

時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。

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民法第146条(時効の利益の放棄)の解説

趣旨

本条は、時効の利益の放棄について規定しています。

時効の利益は、時効が完成する前に、あらかじめ放棄することができません。

事前に契約書などで時効の利益を放棄できることにしてしまうと、事実上、時効制度の存在意義がなくなってしまいます。

このため、本条により事前の時効の利益の放棄を無効としました。

つまり、本条は、いわゆる「強行規定」であるといえます。

時効期間の短縮は有効

時効期間を短縮する契約条件は、有効とされています(会社の定款にもとづく利益配当の支払請求権について。大審院判決昭和2年8月3日)。

もっとも、事業者と消費者、企業と労働者(労働基準法第13条・第115条参照)、賃借人と賃貸人のように、立場の優劣が著しい当事者間における時効期間の短縮の契約条件は、公序良俗(第90条)に反し、無効となる可能性も考えられます。

時効の完成後は放棄可能

本条の反対解釈として、時効が完成した後であれば、時効の利益を放棄することができます。

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契約実務における注意点

本条は強行規定ですので、契約書に時効の放棄を記載したは、その契約条項は無効となります。

時効期間の短縮については、すでに述べたとおり、有効となります。

ただ、場合によっては、公序良俗違反で無効となる可能性があります。

このため、時効期間を短縮する条項については、慎重に検討する必要があります。

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